さくらSAKURA

葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある

笹井宏之
『八月のフルート奏者』(新鋭短歌シリーズ)

彗星のように現代短歌を駆け抜けた歌人・笹井宏之。その透明感溢れた彼の作品のなかでも特に好きな歌のひとつです。母親を見つめる眼がやさし過ぎます。息子にこんな風に思ってもらえるお母さんって素敵です。今朝の通勤路の葉桜に、ふと笹井さんの歌、思い出しました。少しずつ強くなる光のなかで、命が輝きはじめます。

(瀬川恭子)

きらり選手宣誓の短歌!

「グランドにチームメイトの笑顔あり夢を追いかけ命輝く」

 

今年の春の甲子園、選手宣誓に若者らしい短歌を織り交ぜたのは、敦賀気比高校(福井)のキャプテン、篠原涼選手。

「多くの皆さんに支えられ、大好きな野球ができることに感謝します」

添えられた言葉の通リ、31文字には大好きな野球がこの甲子園でできる喜びがはちきれんばかりに溢れていて、爽やか。輝く命がほとばしります。

(瀬川恭子)

言葉のチカラ

眠る前のひととき、心に響く短歌を楽しみます。私が今好きなのは、若い人たちの歌。『タルト・タタンと炭酸水』の竹内亮さんの歌は、穏やかな光や風を感じさせ、シアワセな気分にしてくれるから、好きです。

向い側のひざの上ではスーパーの袋いっぱいレモンが透ける

川べりに止めた個人タクシーのサイドミラーに映る青空

また、『それはとても速くて永い』の法橋ひらくさんの

風に舞うレジ袋たちこの先を僕は上手に生きられますか

も切なくていいなぁ。言葉のもつチカラって素敵です。

(瀬川恭子)

自分を励ます

最近、若い人の詠む短歌にちょつぴりハマっています。朝日新聞のコラム「あるきだす言葉たち」のタイトルのように、言葉が生き生きと動いてて素敵です。

今日も家事の間に、穂村弘さんの『短歌ください』を読んで、なるほど~と、唸ってます。

この本は「ダヴィンチ」に連載中のコラムをまとめたものです。そのなかにあった短歌ひとつ。

「大丈夫、お前はやれる」拒否された10円玉をきつくねじ込む

自動販売機に拒否されてしまう10円玉が世間に受け入れられない自分を励ますようで好きです。

(瀬川恭子)