22. 『カミーユ』大森静佳

四六判変形、並製、144ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-315-7 C0092

装幀 宮島亜紀
装画 寺澤智恵子

曇天に火照った胸をひらきつつ水鳥はゆくあなたの死後へ

幽明を行き来しながら

うたは火となる。水となる。

声の雫が心を濡らす。

 

【五首選】

時間っていつも燃えてる だとしても火をねじ伏せてきみの裸身は

肉体の曇りに深く触れながらカミーユ・クローデル火のなかの虹

欲望がフォルムを、フォルムが欲望を追いつめて手は輝きにけり

そののちの長い月日の 狂うとき素足はひどく透きとおるけど

全身できみを抱き寄せ夜だったきみが木ならばわたしだって木だ

 

大森静佳(おおもり・しずか)

1989年、岡山市生まれ。京都市在住。高校時代に短歌と出会い、その後「京大短歌会」を経て「塔」短歌会所属。2010年、「硝子の駒」にて第56回角川短歌賞受賞。2013年に第一歌集『てのひらを燃やす』(角川書店)を刊行。

【現代歌人シリーズラインナップ】