新鋭短歌

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一首評

たましいのひとつひとつと思うまで飛び子の軍艦巻きを嚙み締む

斉藤真伸 2013.08.22

一首評

『クラウン伍長』には、古今東西に渡る死のコレクションが犇めいている。
斉藤真伸は“タナトスの詩人”であるとつくづく思うのである。
上に挙げた作品は、日常生活の中でふと気づいた“死”。
軍艦巻きに載る魚卵の一粒一粒がたましいのひとつひとつである、と作者は気づく。
一口嚙むごとに、たましいがはじける。
「生命をいただいているということなのだから、感謝しましょう。」とのたまうよりも、
いつ何時でも沈黙の中「死を噛み締めろ」ということなのかもしれない。
「メメント・モリ(死を想え)」という言葉がある。
この評を書いている私だって、明日死ぬかもしれない。
今、読んでいるあなたにもいつか死は訪れる。
そのことに気づいたときに、あなたはどんな景色が見えますか?

天道なお

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