西村曜 2018.11.01
だいすしなあなたにすきを奢りますちなみに回るほうのすきです 2018.10.25
いまここにあるものだけでしりとりを。さむさ、さみしさ、さまんさたばさ 2018.10.22
適切なキスの長さが分からずにほへとちりぬるあたりで止めた 2018.10.17
いつまでも名字で呼んでいつまでも光がうすく漏れているドア 2018.10.12
一念発起いちねんほっきと唱えつつ「ほっき」で体を起こす腹筋 2018.10.09
生きていく 求人サイトの検索に「一人でできる」とまず打ち込んで 2018.10.03
非正規とバイトの恋は非正規がバイトのぶんを多く支払う 2018.09.30
どっちでもいいよどれだけちがってもいいよ左折で右へ曲がろう 2018.09.28
「花束」の手話がわからず思い切り抱きしめてみる たぶん合ってる 2018.09.25
せいしゃいんとうようレモンはいつまでもカップに浮いて渋くなっちゃう 2018.09.19
コンビニに生まれかわってしまってもクセ毛で俺と気づいてほしい 2018.09.13
ふーせんガムふーせんにして部分的少年となる御堂筋線 2018.09.10
そばにいて。バールのようなものがいまバールに変わるからいまそばに 2018.09.05
十二歳 ヒポポタマスとホスピスを脳のおんなじ箱に入れてた 2018.08.31
きみのこともっとしにたい 青空の青そのものが神さまの誤字 2018.08.28
完璧な鎖骨だったなハンガーのひとつも掛けたくなるくらいの 2018.08.23
バラ園にバラ石鹼の香の満ちて世界はなんて深い浴槽 2018.08.20
蒸しダコの足に包丁入れるときやはり蒸しダコ抵抗はせず 2018.08.10
レジ打ちの青年ユリ根に戸惑いて何かと思いましたと笑う 2018.08.08
にしむら・あきら
1990年 滋賀県生まれ
2015年 短歌をはじめる
2016年 未来短歌会入会
ラインナップ