新鋭短歌

新鋭短歌シリーズスタート

初谷むい

ユキノ進

千原こはぎ

ふかふかと陽だまりの音ひびかせてオルガンみたいにわらうからすき 2018.06.25

千原こはぎ

葉の裏の暗いところにみっしりと蝶を眠らせ樹は覚めている 2018.06.22

ユキノ進

ぼくはきみの伝説になる 飛べるからそれをつばさと呼んで悪いか 2018.06.21

初谷むい

外は雪 きみを素足で待つことを少し叱ってくれたっていい 2018.06.20

千原こはぎ

廃坑の錫鉱山の坑道からわたしの胸へつながる道よ 2018.06.19

ユキノ進

快晴がつくる逆光きみの名を一生覚えている気がするな 2018.06.18

初谷むい

おしまいはいつも「じゃあね」と言うきみに「またね」と返す祈りのように 2018.06.15

千原こはぎ

骨になるまでのひととき薄紅の花の名前を教えてもらう 2018.06.14

ユキノ進

肺で咲く口約束が花火みたいわたしははなびらはなびのこども 2018.06.13

初谷むい

よそ行きの、風邪の、いつもの、耳元の、すべての声をほしいと思う 2018.06.12

千原こはぎ

四年間で十二万キロ走破した営業車とおれのはるかな旅路 2018.06.11

ユキノ進

スカートが海風孕む生まれるよいつかぜったい誰かを産むよ 2018.06.08

初谷むい

それはもう愛だよ、愛とか言いながらお湯割りの梅をぐずぐず崩す 2018.06.07

ユキノ進

酔いながらきみを見つける水中で唾を吐いたらきれいだろうか 2018.06.06

初谷むい

あいたいとせつないを足して2で割ればつまりあなたはたいせつだった 2018.06.05

千原こはぎ

一列の水門が容赦なく落ちて川の首もとざっくりと断つ 2018.06.04

ユキノ進

絹豆腐あかちゃんみたいに取り出してきのうの愛のすべてだったね 2018.06.01

初谷むい

降りやまぬ雨 もうことばにならなくて読点ばかりきみへとこぼす 2018.05.31

千原こはぎ

「トリプルルッツ」残業に飽きくるくると回るまよなか部長の椅子で 2018.05.30

ユキノ進

立っていて 光の中に さかなかえるわにはとわんこぼく走ってく 2018.05.29

初谷むい

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