新鋭短歌

新鋭短歌シリーズスタート

惟任將彥

西村曜

九螺ささら

最後の力振り絞りたるごと指折り曲げて軍手はありき 2018.11.02

惟任將彥

核拡散防止条約そういえばポン酢は家にあっただろうか 2018.11.01

西村曜

ストールを首に巻く人あまたいて風の国からの使者然として 2018.10.31

九螺ささら

なにぬねので出来ている眠りの世界は生まれたてのわたしが眠ってる 2018.10.30

九螺ささら

ペットボトルもんどりうつて倒れたるもう永遠に夜だ夜だ 2018.10.29

惟任將彥

缶コーヒーブラックの蓋一捻り「中身が噴き出すおそれがあります」 2018.10.26

惟任將彥

だいすしなあなたにすきを奢りますちなみに回るほうのすきです 2018.10.25

西村曜

蛞蝓なめくじに塩ふりかけて無くなるを一人で見ている人を見ていた 2018.10.24

九螺ささら

ヒマラヤの使用済み切手の上をてんたう虫が登攀してをり 2018.10.23

惟任將彥

いまここにあるものだけでしりとりを。さむさ、さみしさ、さまんさたばさ 2018.10.22

西村曜

舌を出す内気な彼女舌先がイモリみたいで両生類めく 2018.10.19

九螺ささら

北極星ポラリスは四三一光年 この星の百年後の安全 2018.10.18

惟任將彥

適切なキスの長さが分からずにほへとちりぬるあたりで止めた 2018.10.17

西村曜

曲は川、クレッシェンドとデクレッシェンドのあいだを鮭が遡上している 2018.10.16

九螺ささら

時間を守るひとたち出来事を優先させるひとたち暮すこの星 2018.10.15

惟任將彥

いつまでも名字で呼んでいつまでも光がうすく漏れているドア 2018.10.12

西村曜

もやわれた二艘の舟として生きるきみの存在がわたしの浮力 2018.10.11

九螺ささら

三十九キロ地点周りの声援に靴が「モウダメダ」と言つてゐる 2018.10.10

惟任將彥

一念発起いちねんほっきと唱えつつ「ほっき」で体を起こす腹筋 2018.10.09

西村曜

ルーシーに「忍者っているの?」と聞かれ「少なくなった」と答えるわたし 2018.10.05

九螺ささら

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