新鋭短歌

新鋭短歌シリーズスタート

惟任將彥

西村曜

九螺ささら

だしぬけに把手落ちたり虐殺をされしギタリストの手首のごと 2018.08.24

惟任將彥

完璧な鎖骨だったなハンガーのひとつも掛けたくなるくらいの 2018.08.23

西村曜

球根に水のみ吸ってクロッカスおんがくに似た形に開く 2018.08.22

九螺ささら

城壁の弾痕潜り抜けるたび 紋白蝶 もんしろ 白く白くなりゆく 2018.08.21

惟任將彥

バラ園にバラ石鹼の香の満ちて世界はなんて深い浴槽 2018.08.20

西村曜

降りつづくショパンのピアノ梅雨入りの彼は半月音信不通 2018.08.17

九螺ささら

ミサイルの飛び交ふ下を鯉幟あぎとふそれを 目守 まも るみどりご 2018.08.16

惟任將彥

蒸しダコの足に包丁入れるときやはり蒸しダコ抵抗はせず 2018.08.10

西村曜

「ハープとはゆめのほとり鳥の化身です」余命二ヶ月の館長は言う 2018.08.09

九螺ささら

窓に星座の映る真夜中本を読むわれもいつしか本と変はりて 2018.08.08

惟任將彥

レジ打ちの青年ユリ根に戸惑いて何かと思いましたと笑う 2018.08.08

西村曜

おとといの夢をはみ出た白鳥座がパンタグラフになり火花散る 2018.08.08

九螺ささら

ふかふかと陽だまりの音ひびかせてオルガンみたいにわらうからすき 2018.06.25

千原こはぎ

葉の裏の暗いところにみっしりと蝶を眠らせ樹は覚めている 2018.06.22

ユキノ進

ぼくはきみの伝説になる 飛べるからそれをつばさと呼んで悪いか 2018.06.21

初谷むい

外は雪 きみを素足で待つことを少し叱ってくれたっていい 2018.06.20

千原こはぎ

廃坑の錫鉱山の坑道からわたしの胸へつながる道よ 2018.06.19

ユキノ進

快晴がつくる逆光きみの名を一生覚えている気がするな 2018.06.18

初谷むい

おしまいはいつも「じゃあね」と言うきみに「またね」と返す祈りのように 2018.06.15

千原こはぎ

骨になるまでのひととき薄紅の花の名前を教えてもらう 2018.06.14

ユキノ進

ラインナップ