新鋭短歌

新鋭短歌シリーズスタート

寺井奈緒美

戸田響子

小坂井大輔

身ひとつでできることなど少なくて全速力で逃げた犬追う 2019.05.24

戸田響子

算数のノートの隅で育ててた棒人間よ まだ走れるか 2019.05.23

寺井奈緒美

犬の糞を入れた袋をひったくられなんて美しい世界なんだろう 2019.05.22

小坂井大輔

人間の記憶はあいまいリカちゃんのお尻はきちんと割れてましたか 2019.05.21

戸田響子

あと一度着たならきっと雑巾にしようと思い今日も着ている 2019.05.20

寺井奈緒美

傘で電柱を打ちまくっていればそこ一帯はのどかな町です 2019.05.19

小坂井大輔

早朝のバスタブ朝日がつき刺さり音階のようなものが聞こえる 2019.05.18

戸田響子

花びらをビニール傘に貼り付けてそこに居た時間がうつくしい 2019.05.17

寺井奈緒美

岐路のない日常があり一度だけ渡った橋のかたい静けさ 2019.03.01

小野田光

手のひらのしわが今夜は深い気がする小さめの花火が上がる 2019.02.28

二三川練

平成がこのまま閉じてゆくことを告げてさびしい住之江競艇 2019.02.27

五十子尚夏

そういうのずっと濾過してきたんだねピエロが鼻を泉にひたす 2019.02.26

小野田光

メロンパンの袋をあけるいつもとは違うあけ方でとても綺麗に 2019.02.25

二三川練

愛されていたと思えば君もまた反実仮想の王国へゆく 2019.02.22

五十子尚夏

国境を解かれた陸の果てに舞う百年のちの手旗信号 2019.02.21

小野田光

人権の数だけチョコレートをあげる 君と君と君には空港をあげる 2019.02.20

二三川練

新月を抱く夜空にI must apologizeと切り出している 2019.02.19

五十子尚夏

喉奥は生ぬるい沼 この夏の解をもたない人と歩めば 2019.02.18

小野田光

やがて折れる塔のごとくに積まれゆく日々にかすかな鶺鴒の声 2019.02.15

二三川練

まひるまの月って感じの表情をふいに見せたるイザベル・ユペール 2019.02.14

五十子尚夏

ラインナップ