新鋭短歌

新鋭短歌シリーズスタート

小野田光

二三川練

五十子尚夏

腕の傷ふいにひらけば蟋蟀のふたご這いでて翅をかわかす 2019.01.18

二三川練

ザプルーダー・フィルムのなかで永遠の死を生き続くJFK 2019.01.17

五十子尚夏

右中間を球はころがる耳寝かせ森に分け入るうさぎのように 2019.01.16

小野田光

喉をもつ空が洩らした嬌声のねえさん、星をもう蹴らないで 2019.01.15

二三川練

シチリアのレモン畑の色彩を知らぬトム・ヘイゲンの憂鬱 2019.01.14

五十子尚夏

彼は背が高くて眼鏡をかけていてイルカの置き物ばかり集めた 2019.01.11

小野田光

篝火よ  あなたに焼かれ不死となる身に現世の鍵をやどして 2019.01.10

二三川練

《I love you.》訳しきれないAIが冷却水に月を映した 2019.01.09

五十子尚夏

火星にもなにかの卵と粉がありふんわりさせる策がみつかる 2019.01.08

小野田光

霧雨に洗わせている血の眼 薬のように言葉を吐くな 2019.01.07

二三川練

フラニーもゾーイも大人になれなくて夜から剥がれた緑の付箋 2019.01.04

五十子尚夏

完璧なしゃぼん玉もうさようなら姉のブラウス私に似合う 2019.01.03

小野田光

熱傷をはだかの腕にひからせてあなたがひらく犬の肋骨 2019.01.02

二三川練

ピアノ線張りめぐらせた夢深く遠く星座を焼き切るひかり 2019.01.01

五十子尚夏

ひき際が綺麗でしたね花束はどこかで燃えて香りを放つ 2018.12.31

小野田光

遠い国の水の味など語りつつ創生以前のおうし座の笑み 2018.12.28

二三川練

Do you copy? 星なき夜空に呼びかけた どこかにきみがいるサテライト 2018.12.27

五十子尚夏

床に散るポップコーンを片づける銀幕だけの空爆ののち 2018.12.26

小野田光

松葉杖で木星を歩く ここでしか吹けない君のろうそくがある 2018.12.25

二三川練

夜という夜の行き着く朝という朝まで君を抱きしめている 2018.12.24

五十子尚夏

ラインナップ