藤宮若菜 2021.09.13
天才じゃなくても好きっていったことごめんね きれいなドライフラワー 2021.09.08
公園でピアスあけっこした春に倒れてた食べかけのチョコボール 2021.09.03
段ボール点々とあり三月の双子素数のように眠った 2021.08.31
地下鉄の隅を流れる黒い水 あなたが生きても死んでもいやだ 2021.08.26
らんらんらんらんらんららんらんらんらん向日葵が黒い種だけになる 2021.08.23
甲子園観ながらだった途中まで埼玉代表が強かった 2021.08.18
終電のトイレにしらすがおちていた。かみさまだっていきものなのか。 2021.08.13
だんだんと消えていくあざ きみがみたことないからだで花束を買う 2021.08.10
さよならをしたね シーツに三葉虫みたいな跡を残したまんま 2021.08.04
いつまでも少女でいてとコンタクトレンズを踏みつぶすような祈り 2021.07.30
生きる側の人間になる 夕暮れにながく使えるお鍋をえらぶ 2021.07.27
すごい雨。ってきみがわらう 明日だって明後日だってわたしがすごい雨になるからわらって 2021.07.20
首すじのバターの匂い吸い込んでいつか少女であった日のこと 2021.07.15
生まれ変わったら台風になりたいねってそれからは溶ける氷をみてた 2021.07.12
汚物入れに群がっている蝿蝿よ聞いてわたしも人が好きだよ 2021.07.07
これは異性のための表情(待って)(もう行こうよ)(わたしたちでいたいよ) 2021.07.02
ふくらかな向日葵のくき手折りつつきみが子どもを産む日をおもう 2021.06.29
夕飯のにおいだねって言いあって夏の人身事故処理現場 2021.06.24
寝ころんであなたと話す夢をみた 夏で畳で夕暮れだった 2021.06.21
ふじみや・わかな
1995 年生まれ。2012年、福島遥の短歌に出会い本格的に作歌を始める。日本大学藝術学部卒業。
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