中山俊一 2016.10.20
夢精ってとても綺麗ネ手品師が闇に葬る鳩の羽搏き 2016.10.17
避妊具が正義の面して笑うころ、ぼくはガス欠のパトカー押して 2016.10.12
みずからの口を近づけ飲むスープ愛を告げたら抱けない気配 2016.10.06
いもうとが尿終えるまで金色の穂波をみてた車のなかで 2016.10.03
目の色を変えてよ ぼくはデッサンの被写体 きみは筆を取らない 2016.09.28
きみのおとうさんはさみしいひとだった朝虹を彫る版画教室 2016.09.23
溶き卵で描いたひまわり いのちってあかるい きみと恥じらいの夏 2016.09.16
蚊柱に腕をさしこむ柔らかさその歓迎に夏は濁るよ 2016.09.13
農機具のレバーを握る夜の夢しょうがねえなァ田園を刈る 2016.09.08
せいねんとせいねん神経衰弱のカードを伏せるときの微風 2016.09.06
なかやま・しゅんいち / 1992年、東京生まれ。法政大学社会学部卒業。
新鋭短歌シリーズより歌人デビュー。
映画監督としてUFPFF国際平和映像祭2012入選、脚本家として第19回水戸短編映像祭グランプリなど。
ラインナップ