天道なお 2013.10.07
近くて遠い、遠くて近い、不思議な存在感。「真向かい」の椅子はけして遠くはない。けれど、たしかにそこに在っても、手触りのない風景だ。「対岸のあなた」はひどく遠い。けれど、「あなた」の息づかいは、そばにいるかのように聞える。作者の見る世界は、音のない風景にたしかな生気を宿していて、はっとさせられる。
嶋田さくらこ
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