新鋭短歌

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水野葵以

上坂あゆ美

toron*

一首評

空欄に入る言葉を考えよ やっぱり僕が考えるのか

木下龍也 2013.08.26

一首評

世界は無限の選択肢から成立している。膨大な選択を効率化する仕組みとして、文化や制度があるといえるだろう。制度に裏ごしされて差し出された「選択肢」を私達はいつのまにか「必然」だと思い込む。そうして社会はつつがなく運営されていく。試験会場の片隅でそんな社会の「秘密」に気づいてしまったのだ。空欄に入る言葉? 誰が? 何の権利があって? 僕に命令するのだ! と。いや、ずっと前から気づいていた気配がこの一首にはある。木下の、ありふれた言葉の裏側へ執拗に指を差し込む、その指の感触だ。

堀合昇平

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